【財務会計】固定資産の除却と廃棄の違い

固定資産の除却

固定資産の除却とは、固定資産の使用をやめて、倉庫などに置いておくことです。自分で「使うのをやめる宣言」をするのであって、固定資産の売却とは違います。また、倉庫に置いておくだけで、廃棄処分している訳ではないので、廃棄とも違います。

除却した時

次の取引の仕訳を行いなさい。決算にあたって不要となった備品を除却する。
備品(取得価額2,000、減価償却累計額1,600、処分価値100、既に減価償却費の計上は適切に行われている)

<解答>
(借方)減価償却累計額 1,600 (貸方)備品 2,000
    貯蔵品      100
    固定資産除却損  300

<解き方>
除却した備品に関する備品勘定と減価償却累計額勘定を取り消します。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000

処分価値は貯蔵品とします。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000
 貯蔵品 100

差額は固定資産除却損。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000
 貯蔵品 100
 固定資産除却損 300

 

ポイント
除却しても処分価値(売ったらお金になる価値)が残っている場合には「貯蔵品」として記帳しておく。

固定資産の廃棄

 

固定資産の廃棄とは、ゴミの焼却場や埋め立て地へ持っていき、完全に処分することです。除却と違い、貯蔵品勘定は出てきません。

 

廃棄した時

 

次の取引の仕訳を行いなさい。決算にあたって不要となった備品を廃棄する。廃棄費用は現金で支払った。
備品(取得価額2,000、減価償却累計額1,600、廃棄費用100、既に減価償却費の計上は適切に行われている)

 

<解答>
(借方)減価償却累計額 1,600 (貸方)備品 2,000
    固定資産廃棄損  500    現金 100

<解き方>
廃棄した備品に関する備品勘定と減価償却累計額勘定を取り消します。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000

 

廃棄費用を現金で支払ったので、右に「現金」と書く。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000
             現金 100

差額は固定資産廃棄損。
 減価償却累計額 1,600/備品 2,000
 固定資産廃棄損 500  現金 100

補足:廃棄をした場合、固定資産廃棄損ではなく、固定資産除却損を使っても正しいです。

 

参考:日商簿記の許容勘定一覧
https://www.kentei.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2016/02/h28-30_kamoku.pdf

posted @ 2019-03-12 14:40  Park_SAP  阅读(3184)  评论(0编辑  收藏  举报