原価センタ
原価センタとは、費用(コスト)を計上するマスタです。
この記事では、原価センタの設定方法について解説していきます。
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原価センタとは
原価センタとは、費用(コスト)を計上するためのマスタです。
そのため費用を管理する単位となる部署や製造工程を設定粒度とすることが多いです。
(例:経理部、調達一課、製造課、など)
また原価センタをグルーピングする「原価センタグループ」というマスタがあります。
原価センタを費用を管理する最小粒度に設定し、それらをグルーピングし、グループごとに費用分析するために原価センタグループを設定します。
例えば、製造一課・製造二課・製造三課という原価センタを設定したとき、課の上の製造部で費用分析をしたい場合、製造部という原価センタグループを設定します。
設定の紐づけイメージは、このようになります。
原価センタの前提マスタ
上の図からもわかるとおり、原価センタを設定する前に「管理領域」と「原価センタグループ」を設定しておく必要があります。
原価センタを登録するうえで、必ず1つの管理領域・1つの原価センタグループに紐づける必要があります。
【管理領域】
管理領域は、T-code:OX06 またはSPROから設定していきます。
管理領域:会社コード の紐づけをしていくため、FI領域と確認し、設定していきます。
(通常は1つしか設定しません)
【原価センタグループ】
原価センタグループは、別名:標準階層 とも呼ばれます。
T-code:KSH1(原価センタグループ登録)にて、原価センタグループを登録します。
※KSH2:原価センタグループ変更、KSH3:原価センタグループ照会
原価センタ登録(T-code:KS01)
それでは原価センタ登録について、項目レベルで解説していきます。
トップ画面
トップ画面では、キー項目である以下項目を指定して、登録画面に入ってきます。
項目名 | 意味 |
管理領域 | 管理領域コード |
原価センタ | 原価センタコード |
有効開始日 | 原価センタの使用開始日 |
有効終了日 | 原価センタの使用終了日 |
原価センタは、費用を計上する「部門」を設定していきます。
組織改編などで、部門が変わる場合、原価センタを使用不可にする必要があるため、有効期限日を使用して、コントロールしていきます。
※原価センタは削除不可のため、有効終了日を用いて使用不可状態にします。
設定画面
ここで以下の項目に対して、原価センタの情報をセットしていきます。
- 名称:原価センタの名称を設定
- テキスト:原価センタのメモ情報を入力(なんでもOK)
- 責任ユーザ:原価センタの管理をするSAPユーザを入力
- 責任者:責任者名称を入力(なんでもOK)
- 部署:部署名を入力(なんでもOK)
- 原価センタカテゴリ:原価センタの用途を指定
- 階層エリア:原価センタグループを入力
- 通貨コード:通貨コードを入力(日本ならJPY)
- 利益センタ:紐づける利益センタを入力
原価センタカテゴリ
原価センタカテゴリには、製造・サービス・営業・管理など、原価センタの用途を指定します。
原価センタカテゴリごとに、この費用勘定は「製造」の原価センタカテゴリである原価センタには計上できないようにするなどの制御などにも使われます。
利益センタ
利益センタ会計では、利益と費用(Profit & Loss)を分析します。
そのため、費用計上先の原価センタが、どの利益センタに紐づけるかの設定をします。
原価センタ変更(T-code:KS02/KS12)
キー項目である、原価センタコード を指定し、原価センタ情報の変更をします。
T-code:KS12 からは、原価センタ一覧を検索で表示後、1つ1つ原価センタの変更処理ができるトランザクションコードです。
原価センタ照会(T-code:KS03/KS13)
キー項目である、原価センタコード を指定し、原価センタ情報の照会をします。
T-code:KS13 は、原価センタ一覧を検索で表示できるトランザクションコードです。
(参考)COマスタ解説記事
CO(原価モジュール)で使用されるマスタをこちらの記事で解説しています。
各マスタの意味や原価計算での使い方について解説しています。
原価センタも、他のCOマスタの設定があって効いてくるので、こちらも参考に読んでみてください。