1年生7月~9月の練習メニュー-soccer

1年生7月~9月の練習メニュー

  1. 基本的な考え方

 この時期に子供達は学校、チームに慣れサッカーのだんだんスポーツ(=遊び)として楽しめるようになって来る。夏休みがあり、活動が一時的に休止する場合もあるが、チームとして急激に活性が高くなる。また、他チームとの交流も始まりチーム運営の体裁が整ってくる時期でもある。指導者としては、「このチームとしてのサッカー」ということを考えたくなる時期にくるが、まだサッカーというゲームに接して数ヶ月の子供達に頭で考えるサッカーは難しい。この時期は、あくまでこれからサッカーを楽しめるように、考え方、動き方の基礎を徹底して指導していくことが重要。それは難しいことではなく、自分からボールに触れるように、ボールを追い、自分のものにしてドリブルし、シュートする。ボールをとられたら、自分でとりにいくということです。また、チーム全員が同じ考え方をするように、GK等の役割、ポジションを決めずみんなで同じ動きをするように指導することも大切。「開け」、「かたまるな」、「ダンゴになるな」という言葉は、子供達がボールに触れる機会を奪うということを認識しなければならない。この時期は、ボールに触ることは非常に重要で、実はまだまだボールが怖い子もいることを理解した上で指導にあたる必要がある。夏休みも含め活動を継続的にすすめるためにも、みんなでやって楽しいという事を第一に伝え、そしてそれを実現していくための基本的な動きや、ボールフィールを経験値にしていくといことを変えずに続けることを第一とする。

①     仲間と一緒にボールに積極的に触れたいと感じる。

・  仲間とボールを使って遊ぶ

・  仲間と運動する

・  仲間と競争する楽しさ

②     サッカーが好きだと感じる

・  ボールを少しだけ自由に扱う

・  頑張って褒められる

・  もっと上手くなりたいと思う

 

③     練習時間は1.5時間~2時間

 指導する側は、練習のパターンをある程度決め、子供達の様子を見ながら変化させていく。メニューにあるからといって不得意なメニューを長々続けられるのは子供にとって苦痛となるので、見本として指導者がやって見せながら子供のできるできないをよく見る必要がある。動きが難しいステップワーク等は大人が考えるよりはるかに早く覚えるが、4号ボールの扱いは、内容にもよって全く出来ないもの(ボールジャグリング等)も出てくる。この時期の練習はまだ、達成度や規律よりも楽しむことを中心にして、練習時間は子供の集中力をみながら決めていく。そのほかの考え方も、6月まで継続してきた練習と同じようなメニューですすめていけばよい。

  

  1. 運動(ステップやアジリティ)

   練習に関しては、6月までの練習内容と大きく変えない。メンバーが増えていく時期なので練習内容を大きく変化させず、子供達がリラックスして運動できる姿勢や足の運びを教えていくことが重要。メンバーの増加に伴い、子供の動きが活発化しぶつかり合う場面も多くなる。また、指導者一人では目が行き届かない場面も出てくる。指導する側の留意点として、

①     練習時間内はできるだけ子供の輪の中に入らず、一歩はなれて全体を見るようにする。指導する側と、子供達の立場の違いを明確にして危険の回避に努める。

②     子供の集中力は最大10分として、必ず給水、休憩を入れる。休憩が長いと、そこで遊んだりボールを勝手に蹴ったりしはじめるので、長くても2分程度の休憩にして次のメニューに入る。特に暑い日は、子供の顔色や給水の状況を外から観察する。

③     練習メニューに変化をつける場合は、必ず指導者がやってみて動きに無理がないか確認する。練習中に変化をつけることは、子供たちの目先がかわり集中力の維持という観点でも必要だが、いたずらに難しい練習にならないように常に自ら確認しながら進める。

    子供の数が増えてくると、動きが活発化して体と体がぶつかり合うことが多くなる。サッカーにおいては非常に大切なことなので、練習メニューにぶつかり合い等激しさを想定したメニューを入れていく。

(1)    走る

 ダッシュのメニューを加える。サッカーでは長い距離を走る場面と、短い距離を全力で走る場面があり、いろいろな場面を想定したダッシュが効果的

①    5mダッシュ

いろいろな姿勢からスタート。また体を地面につけることに慣れさせ、転ぶことを怖がらないようにしていく。前転などとの組み合わせで、転び方も習得し怪我の予防になると考えている。

・  足を肩幅より少し開き、つま先を真っ直ぐ前に向け、少し膝をまげて腰を落とす。この姿勢から、細かくステップし合図でスタート。

・  腹ばいからスタート

・  仰向けからスタート

・  前転からスタート

・  後転からスタート

②    ターンを含むダッシュ

  ターン自体は、難しい技術的な指導もあるが、ここではスライディングとスタンディングの中間くらいのターンをイメージさせる。足の運びなどはあまり細かく指示しても、できない子が多くなるだけ。

・  5mダッシュの往復

・  コーチが動きながら、コーチにところまできたらターン

(2)体をぶつける

体と体の接触が発生するので、慣れておく必要がある。子供2人を立たせその間を突き抜けるという練習もぶつかり合いを怖がらなくさせる練習として効果がある。強引に突破するというより、体を反転させたり、スピードの緩急で、できるだけ激しくぶつからないようにすることがコツという具合に指導することがポイント。

(3) マーカーコーンを使った1対1

ドリブル等ボールコントロールを前提とした1対1はまだ難しい。そこで、マーカーコーンをさわらせないようにする1対1が効果がある。マーカーコーンを守るように一人が立ち、もう一人はマーカーコーンに足でタッチしたら勝ち。

・  マーカーコーンを守る側は腕を少し開き、アンテナ代わりにして左右に動く。

・  胸を起こして、背中を相手に寄せて競り合う

・  攻める側は、右側から左足、左側から右足というように体を入れてマーカーコーンにさわる。

・  指導する側は絶対に乱暴にならないように注意していく。乱暴なプレーにはイエローカードを使うのも、子供の興味とラフプレーの防止に効果がある。

   (4) 2人の間に立ちボールを転がして競走し、ドリブルシュート。ショルダーチャージではなく、体をいれてボールを取る習慣をつける。

  1. ※ショルダーチャージの様な解釈が必要なあたり方を低学年から教えるのは難しい。まず体をいれて、ボール保持することを優先。
  2. ボールフィール

①    基本は6月までと同じ。大きなボールを蹴ることより、自由に扱えるようになる第一歩としてボールを怖がらないように、いろいろな場所でボールタッチする。中古テニスボール、リフティングボール、3号球等、体格、体力に合わせてボールフィールを指導する。この時期には、特にお手本を見せて子供達がボールフィールを楽しめるようにしていくことが重要。

②    ドリブルの要素を、ボールフィールにいれて、フリードリブルやマーカーコーンを使ったスラロームが効果的。あまり難しいこと、例えば大きなパイロンをスラロームさせるよりも、マーカーコーンを使ったほうが練習効果は高い。大人が自分の型ぐらいまである、マーカーコーンをドリブルで抜く練習がやりやすいかどうか考えてやらせる必要がある。

③    ボールキープを、体の前、つまさきやアウトフロントとしていくと、ボールを持つ動きがスムーズになってくる。インサイドでのボールキープは、足元にボールが残り次の動きにつなげにくいことを認識した上で、指導していくことが重要。

  

  1. ゲーム

 夏休みの前後に練習試合や、ミニゲームの大会等の誘いが来始める。充実した練習を続けていれば自然と勝ちはついてくるが、勝つことを目標にしないように指導者は気をつける必要がある。子供達には試合をすることによって得る経験値が重要なのであり、結果でそうした経験値を曇らせないように注意する。何ができて、何ができなかったのか、気持ちはボールに向かっていたかを伝えれば、勝ってできていたこと、負けてできなかったことが経験値としてしっかり残る。負けたことが財産になるのは指導する大人が、意識していかなくてはならない。

 試合は複雑さのない、制約のないゲームを中心に子供達だけでさせる。

①2対2の試合は、試合としての最小構成。10m×5mのコートにパイロンのゴール

②3対3、4対4の試合は、15m×8m~30m×12m(ペナルティエリア)。ゴールは2~4つくらいで行う。

③8対8の試合。GKなし。公式戦と同じだが、3対3のゲームと同じようにさせる。いずれのゲームでも、GKを決めた場合は手を使ってもいいが、極力とったボールをドリブルさせる。ゴール前のピンチを自分で作ることをたくさん経験させる。

 

  1. まとめ

 

いずれの学年でも夏休み以降、急激な成長をみるものです。しかし、伸びには個人差があるので、練習をしていく上でメニューをあまり変化させないで継続していくことが重要。遊びでもサッカーとなると競技としての要素が加わるので、勝ち負けに拘らず原因と結果を理詰めに説明していくことが重要。この時期は、熱中症に気をつけつつ、交流が始まる外部との関係をできるだけ継続し、サッカーをする環境を周囲が作っていくことを理解する時期。

posted on 2013-10-15 10:14  cool_gua  阅读(138)  评论(0编辑  收藏  举报

导航